【こんな症例も治りますシリーズ 619】 『 また再発した猫の腰部の皮膚炎 』も 適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、猫の背中の皮膚炎です。

■ 色々な原因でこの皮膚炎は起こります。

■ 詳しくは、本文をお読みください。

 

参照サイト:

https://00m.in/RmdoX

 

猫 ミックス猫 5歳 オス(去勢手術済み・屋外飼育)

 

 

【 背中からお尻にかけてブツブツが出来た 】とのことで猫ちゃんが来院されました。

 

 

 

◆◆ 飼主様からお話を伺ってみると『 二週間前から、しきりにお尻をかゆがっていて、背中からお尻にかけて赤いブツブツができているんです 』とのことでした。

 

 

 

 

 

 

■ 実をいうと、このネコちゃん、1年前にも同じ症状で来院され「ノミアレルギー性皮膚炎」と診断され治療した経緯があり、ブログ(こんな症例も治りますシリーズ 552にも書かせていただきました。

 

 

■ 更にお話を伺ってみると、このネコちゃん、あれからも外へ毎日出かけているとのこと、また市販のノミ予防薬はちゃんと付けていたとのことでした。

 

 

 

 

■ 疾患と治療については前のブログでも書かせていただいたので、今回は簡単な説明とします。

 

 

◆◆ ノミアレルギー性皮膚炎とは、ノミの唾液腺に含まれるたんぱく質などの物質が抗原として摂取されて引き起こされる『 過剰な免疫反応 』のことをいいます。

 

 

※ 症状としては腰背部に広範囲に生じる丘疹と強い痒みで、治療としては痒みとアレルギー性炎症を抑えるため副腎皮質ホルモン剤を使用します。

 

 

■ さて、このネコちゃんの場合、前回と同様、背中からお尻にかけて赤いブツブツができていました。

 

 

 

 

★ また、クシで毛をすくと、ノミの糞がパラパラ落ちてきたことから、問診とあわせ今回も『 ノミアレルギー性皮膚炎 』と暫定診断し、ステロイド剤の処方とノミ駆除薬を処置することにしました。

 

 

 

 

◆◆◆ ここで、『 飼主様の常識が、獣医師の常識と違うポイント 』をお伝えします。

 

 

★ 実は、毎年のように『 誤解されている方が多いので、このブログで紹介させていただきました 』。

 

 

 

【 重要ポイントです!!! 】

 

 

■ 再度、ノミアレルギー性皮膚炎になってしまった原因としては、

 

 

① 一度この病気になると、その後はわずかなノミの寄生でもアレルギー性皮膚炎になり、激しいかゆみや湿疹がおこる

 

 

② 市販のノミダニ予防薬は、虫が寄り付かないようにする『 忌避効果 』が主な効果で、予防や駆除の効果はほとんど期待できないこと、などが考えられます。

 

 

 

★★★ ⇒ よって、つい安いからと言って市販の予防用品を購入しないで下さい。 結果として医療費が高くつきますので。 『 効果的な予防薬の投与期間 』も変わって来ています。

 

 

 

■ 通常、室内で飼育されている猫のノミ予防で重要なのは、猫の体の表面に寄生しているノミの成虫の駆虫と、環境中に存在するノミの虫卵や蛹(さなぎ)の駆除を同時に行うことです。

 

 

 

■ また、猫ノミは、気温が13度以上あれば繁殖することができると言われており、ヒトが過ごす屋内の環境は、冬場でも13度以上に保たれていることがほとんどであるため、一年中、繁殖する危険性があります。

 

 

 

■ そのため、猫ノミ対策やお薬の投与については、基本的に通年(12カ月間)で行うのが良いでしょう。

■ 気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

獣医師 泉 政明

 

湘北どうぶつ次世代医療センター
電話 046-274-7662

photo.fahtakahashi@gmail.com

 

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